鈴木ひじきのチラシ裏

書きたいことを書きたいときに自由に書くためのチラシ裏のような場所。更新頻度超低め。

『月の彼方で逢いましょう SweetSummerRainbow』の紹介とか感想とか。

■はじめに

お久しぶりです、鈴木ひじきです。

 

今回は、tone work's最新作、『月の彼方で逢いましょう SweetSummerRainbow』をクリアしたので、その感想とか、ゲームの紹介ができたらなと思って記事を作った次第です。

 

なお、この記事は途中から既プレイ者向けのバチバチのネタバレ感想になります。

最初の方に未プレイ者向けにゲームの紹介とネタバレ無しの感想を書くので未プレイの方はそこだけ読んでもらえればいいかなと!

ネタバレパートに入る前にここから先はネタバレあるよ、という注意はちゃんと書いてるのでご安心を。

 

あと文章が絶望的に下手なので多分読みにくいのと、書きたいことをとにかく詰め込んだのでマジで長い!!マジでごめん!!

 

 

■そもそも、『月の彼方で逢いましょう』と『月の彼方で逢いましょうSweetSummerRainbow』ってどんなお話?

詳しくは以下の公式Webサイトを見てほしいが、軽く紹介する。

toneworks.product.co.jp

 

★『月の彼方で逢いましょう』本編の紹介

「もし、未来と過去をスマホで繋げたら、あなたはどんな後悔をやり直す?」

 

このゲームはスクール編とアフター編の2部構成となっている。

 

 

スクール編では、小説家に憧れながらもなかなか作品を書き上げられない主人公『黒野奏汰』の学園生活を。

アフター編では、そんな主人公が社会人になってからのお話を描く。

 

本作のテーマは「運命の選択」だ。

普通、こういう場合のお話はスクール編→アフター編の一方通行だろう。

過去のtone work's作品もほとんどがそうで、スクール編でヒロインとの出会い〜恋人関係になるまでを、アフター編でその後の更に親密になった二人の話を描いている。

 

しかしこの『月の彼方で逢いましょう』はそうとは限らない。

 

本作はとある理由で、過去と繋がるスマートフォンが登場する

 

そのため、スクール編で選んだルートによってはアフター編で、

「心残り」「後悔」を解決するため、過去に干渉することがある。

もちろん干渉しない、というルートもある。まさに運命の選択である。

 

また、今作のもう一つの特徴として、スクール編で誰とも付き合わないという場合もある。

そうなった場合、社会人になってからの出会いや恋愛が楽しめる

 

そのため、アフター編は、

主人公の選択…即ちルートによって、「別ゲーか!?」というほどお話が変わる。

 

それが『月の彼方で逢いましょう』の大きな魅力であると考えている。

 

今までのtone work'sの特徴であり好評だった、

”スクール編、アフター編の2部構成”という要素を引き継ぎつつ、

過去と未来を跨ぐという新しい挑戦をしたのがこの作品だ。

 

主人公の選択によって変わる未来、そして過去……それを是非体感してみてほしい。

 

★『月の彼方で逢いましょう SweetSummerRainbow』の紹介

そして今回感想を書いている『月の彼方で逢いましょう SweetSummerRainbow』の紹介だ。

これは、作中で登場する人気ヒロイン、『佐倉雨音』のスピンオフ作品、いわゆるファンディスクである。

このファンディスクには

「雨音と付き合い始めた後、3年生になって夏休みを利用したサマースクールでサンフランシスコで1ヶ月を過ごすお話」(SSRスクール編)

「雨音と結婚してから娘が生まれ、5歳まで成長した後の夫婦生活を描くお話」(SSRアフター編)

が収録されている。

 

時系列としては

本編スクール編の雨音ルート(学園2年生)→SSRスクール編(学園3年生)→本編アフター編の雨音ルート(社会人)→SSRアフター編(娘が成長した後の夫婦生活)

となる。本編のスクール、アフターのそれぞれ後を補完する感じ。

 

本編では描ききれなかったイチャラブ要素や、美少女ゲームではなかなか珍しい、夫婦で子育てに奮闘するお話などが詰まっており、雨音と過ごす”人生”をさらに体感できる作品となっている。

 

後でまた書くけど、この『月の彼方で逢いましょう SweetSummerRainbow』、ただのファンディスクではない。

本編未プレイの人にも配慮してあったりと、実はめちゃくちゃお得な作品なのだ!

詳しくは少し後に書いている製品紹介を読んでほしい。

 

■あの時から、ずっと待っていた……ついに発売!

tone work'sの前作、『月の彼方で逢いましょう』が2019年6月末に発売してからしばらく経ち、その後同年9月に開催されたtone work'sのライブ&トークイベント、『tone work's FULL MOON PARTY』内でサプライズ発表された『月の彼方で逢いましょう』のスピンオフの制作。

その時はタイトルなどは発表されていなかったが、
前作で一番好きだったヒロインの佐倉雨音ちゃんのスピンオフ作品ということで、期待が止まらなかったのを今でも覚えている。

それからどんどん情報が出てきて、タイトルも『月の彼方で逢いましょう SweetSummerRainbow』となることが発表されたり、『月の彼方で逢いましょう』のときにもあったTwitterキャンペーンが行われたり、ミニボーカルコレクションが配布されたり、スープカレーカムイとのコラボメニューがあったり(食べに行きましたが、美味しかったです……!)と、力の入ったプロモーションに期待しつつ発売を待っていた。

 

が、まさかの3月末から5月末に延期。

 

まあだが仕方ない。tone work'sは延期した分、しっかりとしたものを作ってくれるだろうという絶対的信頼があったので不安はなかった。

そして5月、無事にマスターアップし、再延期などはなく無事発売した。良かった!

 

■製品紹介

この『月の彼方で逢いましょう SweetSummerRainbow』、『月の彼方で逢いましょう』のファンディスクなのだが、多数ヒロインがいる中でも『佐倉雨音』ルートのみのファンディスクなわけだ。

そういうわけで1キャラのみのため、ロープライス(税込3300円)での販売だ。

が……

・ボリューム感はtone work'sの1ヒロインと同等
・Hシーン2倍以上!
・CGも本編雨音ルートより多い!!
・予約特典もある!(ラフイラスト日記「雨音の初恋メモリア」)
ショップ特典もある!(ドラマCDや缶バッジ)
・ボーカル曲が4曲!!
・本編未プレイでも遊べるよう、本編雨音ルート(スクール・アフター編双方のダイジェスト編を収録!!)

 

あのー、それミドルプライスで売るべきじゃないんですかね。大丈夫ですかね?

というか予約特典やショップ特典つくのすごいよ。有償特典じゃないんですよこれ。

その分ドラマCDや缶バッジと比較的コスト抑えめな特典ではありますが、そもそもこの値段でついてくるのがまずヤバい。ほんとに大丈夫?

 

まあそれだけだとさすがにヤバい?のか、
今回はゲーム本編に加えさらに特典がつく『豪華版』的な存在の、限定生産の『お嫁さんパック』が存在する。

 

で、この『お嫁さんパック』、通常版と何が違うのかという話だが、

・特装パッケージ(この中にゲーム本体や、後述する同梱物が入っている)
・両面抱き枕カバー(スクール編・アフター編両方!!)
 しかも抱き枕カバーはコミケなどで売っている12000円のいつものやつと同品質とのことで、ゲームの特典によくついてくる安っぽい素材のやつではない。すごい。
・バイノーラルドラマCD(これはまだ聴いていないが、スクールとアフター編両方が収録されて70分のボリュームらしい)
・雨音ちゃん記入済み婚姻届!!

となかなか豪華で、こちらの金額は税込17380円。

 

ん?あれ?思ったより安くね?

だって、12000円相当の抱き枕カバーがつくでしょ、70分のバイノーラルCDがついて、婚姻届がついてきて(これが必要かどうかは人によるとは思うが)、特装パッケージで、もちろん通常版についてくる予約特典や店舗特典もついてくる……

通常版よりはマシですが、採算取れるのかはやっぱり謎。

というわけでユーザー目線からすると超お買い得価格なのですが、ちょっと心配になるレベル。

 

ちなみにぼくは『お嫁さんパック』を買いました。

 

理由として、本編プレイして雨音ちゃんが一番自分の好みにあったキャラだったし、シナリオも好きだったので。抱き枕カバーもめちゃくちゃ欲しかったし。

雨音ちゃん記入済みの婚姻届は、ちょっとびっくりしたけど(笑)、今作のコンセプトを考えると雰囲気を盛り上げるコレクションアイテムとして最高だと思うので、個人的には嬉しかったかな。

 

あと『月の彼方で逢いましょう SweetSummerRainbow Vocal & VoiceDrama Collection』も同時発売。

tone work'sといえば楽曲面のクオリティと演出がやたら高いことに定評があるけど、今回も期待以上だったので、同時発売してくれるのは嬉しいところ。

更に今回はボーカル曲がロープライスで4曲と抑えめな分(ロープラで新規4曲ってかなり豪華だと思うけど)、追加としてこのCDでしか聴けない録り下ろしのボイスドラマを収録している。まだ本編が終わったばかりで聴けていないが、きっと素晴らしいものが聴けることだろう。

というわけで、こちらも同時購入してます。まあ買うよね。

 

■実際にプレイしてみて(未プレイ者向け)

ネタバレしない範囲で簡潔に。

 

月の彼方で逢いましょうをやってない人向けに言うなら……

『イチャラブ』『家族愛』『人生を描く物語』が好きなら買っていい。

 

あと、tone work'sの代表作、『星織ユメミライ』や『銀色、遥か』みたいなゲームが好きな人も買っていい。あの作品が好きな層は満足できるだろう。

 

本作は、ロープライスとは思えないシナリオ量とハイクオリティなCG、ストーリーとマッチする素晴らしいボーカル曲やBGMをフル活用してひたすら純愛を突き詰めている。

恋愛、結婚、子育てと、『佐倉雨音』という一人のヒロインとともに歩む人生をこれでもかと詰め込んだ作品だ。

また、『月の彼方で逢いましょう』本編において、雨音は作中の核心に迫ることになるキャラクターでもあるが、その要素はこのファンディスクにおいても重要な役割を担っている。これが上記の『人生を歩む』という要素に絡んで、大きな感動を生んでいる

 

そうなると月の彼方で逢いましょう』本編をプレイしないと、お話がわからないんじゃ?となるわけだが、本作はあまりに親切なので本編のいいところだけを切り出したダイジェスト編が収録されている。実際にダイジェスト編をやってみたが、これなら本編未プレイでもしっかり本編部分の話が理解できるし、感情移入もできるはずだ。

 

もちろん本編から削られた部分の細かい描写も見てほしいところはあるし、本編の他のキャラのルートも尖っていて好きなのだが、それはファンディスクである本作をプレイしてみて、月の彼方で逢いましょうというゲームに更に興味を持ったら本編も買ってみる、とかでも良いんじゃないかと思った。

 

普通ファンディスクというのは本編プレイが前提なので、本編のダイジェストが収録されているというのは珍しい。しかもダイジェストといいつつ一部の日常シーンを端折ってるだけでダイジェスト編だけやっても満足度が高いくらいである。

本当になんでロープライスなんだ?

 

というわけで、最初に書いた要素が好きなら、

『月の彼方で逢いましょう』未プレイの人もぜひ手に取ってほしい作品だ、と感じた。

 

そして、『月の彼方で逢いましょう』本編を既にやっていて、本作もやってみようかな?と思っている人へ……

とりあえず買っとけ。特に雨音ルートで感動したなら絶対買え。

こんな感じです。 

 

■実際にプレイしてみて(既プレイ者向け)

ここからは実際にプレイしてみて、自分が注目したポイントとか、感動したポイント、面白かったポイントなどについて語っていきたいと思う。

※この先、『月の彼方で逢いましょう』『月の彼方で逢いましょう SweetSummerRainbow』の重大なネタバレが含まれます。未プレイ者の閲覧はこれ以降は強く非推奨です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

🌕SSRスクール編(サマースクールに行くまで)

・更に進んだ二人の関係

付き合って時間が経ち、学園3年生になったことで二人もすっかり恋人関係に慣れている。雨音の甘え上手は日に日に魅力を増していき、イチャイチャ度も増している。

雨音好きとしては奇声を上げて悶えまくって死にますそのくらいかわいいです。

あと食べさせあいっこしてるところのSD絵が可愛すぎてどうにかなりそうだった。つきかなというか、柚木ガオ先生のSD絵ってホント好みなんですよね。可愛すぎる

 

・雨音と奏汰の家族

恋人になってから時間も経ったし、奏汰の家族とも雨音は打ち解けているので、奏汰のお母さんから料理を教えてもらっていたりともう公認の関係になっている。

奏汰の父が「これならいつでも嫁に来てもらってよさそうだな」とか言ったり。

プレイしてて気持ちがほっこりしました。良い関係……好き。

 

・進路に悩む奏汰

学園3年生というと、将来を強く意識する時期というか、進路についてももう方向性がはっきりしていないとまずい時期でもある。

まあぼくは高校時代、割とギリギリまでフラフラしていたんですけどね

このお話でもその部分は重点的に語られていて、将来の進路についてそれぞれ考えているシーンが描写されている。

で、そんな中で、将来の進路を聞かれた雨音が迷いもなく「カナタのお嫁さん」と答えるの、すごい刺さった

これはバカップルのノリでふざけて言ってるわけでもなんでもなくて、雨音としては「共働きでも専業主婦でもカナタが主夫でも」何でもよくて、結果として「カナタのお嫁さん」になることが叶えられればその過程は何でも良い、ということなのである。

こんな健気な女の子に愛されている奏汰は幸せ者だと思う。ほんとに。

更にその後「どんなお金持ちよりも、ささやかでもいいから、温かくて幸せな家庭がほしい」「ダーリンとなら、それが叶えられるって信じてる」と雨音は言っていた。

両親を亡くし、十分な愛を得られずに過ごしてきた雨音にとって、それは生きていく上での目標なのだ。

正直、この歳になると将来の目標とか夢だとかを語るなら、現実的に就職や進学のことしか考えられなくなるのが普通だろう。それは自分にとってもそうだったから、将来のことをこういうふうに広く見据えられるというか、こういう人生にしたい、とはっきり言える雨音に心を打たれた。

それを踏まえた上でちゃんと目先の進路(進学)について真剣に悩んでいるのも良いと思う。

 

さてそんな中、将来をはっきり決められなくて焦っている奏汰。

小説家になりたいという夢はあるけど、実力が伴っていないのはわかっているし、その夢を家族に言うのも怖い。踏ん切りがつかない。

そんな思いを雨音が察して、背中を押すことになるわけなんだけど、もうこのシーンもいいシーンすぎて……

奏汰

「やりたいと思ってるだけで、結果を出せてない。そんな俺が小説家になりたいなんて夢を語るのはおかしくないか?」

雨音

「今、夢が叶ってないから、なにも結果がないから、叶うように行動しようとしてる」
「したいことがあるなら、してからまた悩めばいい」
「忘れないで。ワタシも、ダーリンの夢をいつも応援してる」

 

これさらっと言える雨音って凄いと思うし、強いなって。
小説家は誰でもなれる職業ではないし、結果を出せていない現状でこの先どうなるかわからないわけだけど、それでも奏汰の気持ちを察して何の迷いもなくサポートする姿勢を見せている。天使かな?

こうして雨音の強い後押しによって決意を固めた奏汰は、親に将来の夢を、小説家になりたい、そしてそのためにサマースクールへ行きたいということを打ち明けることになる。

 

この描写、人によっては女の子に背中押されて打ち明ける夢って……なんて思うかもしれないけど、正直奏汰の迷いってのは当たり前にあることだと思う。

この世の中、職業の安定性を考えて仕事を決めるのは当然だし、そうなるとなれるかどうかわからない小説家を目指す、というのを決めるのはなかなかリスキーであり、勇気のいることだろう。

ましてや「将来結婚したい」とまで思える彼女がいるなら、なおさら彼女のためを思ってさらに悩むことと思う。俺なら悩む。

だから上記に書いている通り、何の迷いもなく、夢を叶えよう、と言ってくれる雨音はやはり天使なのだ。

 

この記事は雨音が天使ということを伝えたいだけの記事なのかもしれない。

 

両親も両親で、その後心配しつつも許容してくれるし、奏汰って本当に恵まれてるな……

あと「金は出してやる」という両親に、「自分で出す。お金を稼ぐのもチャレンジ、こんなところでくじけてたら、俺の夢に対する気持ちってその程度のものだったって気がするんだ」なんて言える奏汰も実は相当大人である

俺なら「お金出してくれるの!?ありがとう!!」って甘えちゃってると思う。100%、いや120%。

そりゃ雨音も惚れますよ。黒野家は親も子もすごいしっかりしてるんだよね、結局のところ。でも人間味はあって私はすごく好きですねこの家庭。

  

🌕SSRスクール編(サマースクール)

・雨音との疑似同棲生活

まあちょっと部屋割りを改ざんして(笑)、雨音と奏汰はサマースクール中同じ部屋で1ヶ月過ごすことになるわけなんだけど、学生時代に恋人と疑似同棲なんてワクワクするシチュエーションだよね。

当然あんなことやこんなこともし放題なわけで。

うーんそそる。夢がある!!

実際SSRスクール編は圧倒的にそういうシーンが多い

 

・サンフランシスコの雰囲気の良さ

tone work's作品の聖地の描写はほんとにワクワクする。

今回のサマースクールは夏のサンフランシスコが舞台だけど、背景も綺麗だし、見ててワクワクする。実際に行ってみたくなる魅力がある。

(まあいろいろ今アメリカは大変なことになっているのだけれども……)

 

tone work'sは舞台となった土地を美しく描いてくれるので好きだ。

『銀色、遥か』プレイ後、行く機会なんて無いと思っていた北海道をもう何往復もしている。『月の彼方で逢いましょう』本編プレイ後も何度江ノ島に行ったことか……

(さらに言えば『星織ユメミライ』プレイ後に仙台も行ったし、関西に住んでいた頃は『初恋1/1』の聖地巡礼に神戸へ足を運んだのも覚えている。)

 

今作のSSRスクール編に登場するサンフランシスコの場所……

サンフランシスコ市街、フィッシャーマンズ・ワーフ、ポイントレイズ国定海岸、ヨセミテフォールズ、シトロン・パーク……どれも美しく魅力的である。

 

シトロン・パークといえば、俺はシトロン社の元ネタでもある某林檎マークのメーカーのパソコンやスマートフォン、スマートウォッチを愛用しているし、この会社のプロダクトが好きでよくストアへ足を運んだりする、いわゆるファンなのだが、シトロン本社に行く描写でビジターセンターの話に触れられていたのはびっくりした。

(というのも、林檎のほうも本社近くにビジターセンターがあるのだ。)

限定グッズが買えたり、最新製品に触れられるという紹介もあったが、これも現実のほうにもあるものだ。ちゃんとリサーチしてるんだなという印象で、ファンとしてもニヤッとするネタだった。俺も行きたい。多分賢斗みたいになって1日が潰れる。

 

死ぬまでにサンフランシスコに行ってみたいけど、お金も語学力もないので詰んでいる。悲しい……

 

・ギャグパートが面白い

いや今作はホント面白かった気がする。

無修正エロ本三銃士ってなんなんだよwww

賢斗「俺たちは〜、無修正エロ本三銃士! ヘイ!」

円「長男は映画監督〜、次男は小説家〜、末っ子はガジェット好きのオタク野郎〜♪」

謎の歌歌いながら歩くのやめてくれwwwww

賢斗しれっとディスられてるし。やめてくれ俺に似てるって周りから言われてるんだよ。

 

「エロテクニシャン」「歩くHowTo本」「エロ神さま」の3択から選ぶ選択肢も意味不明だわwww好きwwwww

 

そういえば変な選択肢を選ぶ場合とそうでない場合で、SSRスクール編ラストの、撮影した映画を見るシーンでちょっと反応が変わるんですよ。お試しあれ。

 

・大人になるということ

これはかなり考えさせられた。思わず唸ってしまったくらい。

雨音が”大人になる”ために、真闇の黒姫を捨て、中二病を卒業し、EFを退会しようとした話。

 

こーーーーれめちゃくちゃ共感したし考えさせられたので、隙あらば自分語り的なやつやらせてくれ。頼む。

 

まあ既プレイ者向けに書いているので、説明不要だとは思うが、これは雨音が奏汰のお嫁さんになるため、大人の女性になるために中二病やゲームを卒業しようと考えていたという話だ。

 

ここでの雨音の言葉が刺さる。

雨音

「ワタシは、ダーリンの彼女でいたい」

「ダーリンとはこのまま愛を育んで、お嫁さんにしてもらいたい」

「そのためには、大人になる必要がある」

 

「それは個性だ、雨音のそういうところも好きだ」という奏汰。

 

それに対して雨音は。

雨音

「ダーリンはワタシの恋人だし、優しいから。ワタシは心のどこかで、ダーリンがそういってくれるのを期待してた」

「…でも、ちがう」

「大人になるということは、ワタシたちの関係だけじゃ済まなくなるということ」

「…変わらなきゃ、いけないということ」

でも雨音の本心としては、ゲームだって中二病言動だってやっぱり好きなわけで。

でも、みんなに認められる彼女になるために好きなことを我慢して、

かなり無理をして”みんなに認められる彼女”になろうとしている雨音。

 

もうこの、雨音の気持ちがわかりすぎてどうにかなりそうだった。

ライターはもしかしてこういう状況になったことがあるのか?というくらい。

 

突然の自分語りだが、俺には付き合って2年半くらいの彼女がいる。

で、俺は趣味人だし、趣味に突っ走って生きている。

この感想を書いている時点でお分かりだとは思うが、俺はオタクだ

一人暮らしをしているが、この部屋には美少女ゲームの、抱き枕やタペストリーやグッズがいくつも飾られている。

俺もこれらは美少女ゲームオタク、という言葉でひとくくりにできないくらい素晴らしいものだと思っている。

彼女も理解をしてくれていて、部屋にそういうものが置いてあっても何ひとつ文句を言わないし、推しキャラの名前を覚えてくれているくらいである。

でも別に彼女自身は美少女ゲームをやっているわけではないし、俺に比べればオタク度は明らかに低いと思う。

で、付き合って時間が経ってきた今、時々思うことがある。

自分も(年は)大人だし、どうしても彼女との将来のことを考えたりする時間が増えてきた。

今は一人で暮らしているし、彼女は遊びに来ているだけなので俺が趣味に走りっぱなしでもぶっちゃけ自由である。

 

でもこの先、伴侶になったら?

ともに暮らすようになったら??

自分はこのままで、いいのか?

こんな不安な気持ちになることが最近多くなってきている気がする。

 

もし結婚したら、お金もたくさん必要だ。趣味にばかりお金は使えない。

グッズ類は部屋のスペースを取るし、子どもが出来たら見せられないものもある。

そうなると美少女ゲームのオタクを卒業しなければならないのかな、と考えたりする。

世間体だってある。

彼女はものすごく俺のことを理解してくれている素敵な人だからまだいい(友人も同じくだ)としても、彼女の家族や俺の家族、親戚はそうはいかないと思う。

実際俺は身内にオタク隠してるし。

 

一方で、tone work'sの作品もそうだが、この業界には素敵なコンテンツが山ほどある。

美少女ゲームオタクだから出会えた素敵なコンテンツだ。

そこから手を引くのが惜しい気持ちも強い。だって好きだから。

 

これって雨音の考えてることと近いなぁと思う。

その上で、本当は辞めたくないのに、無理して変わろうとしている雨音を見ると

俺もそんなところあるな……とか思っちゃう。

俺はここまではっきりとした決意ではないけども。

 

で、その後作中では……

そうやって無理をさせていることに気付かなかった奏汰が、映画撮影の台本を利用して雨音に自分の考えを伝えるわけなんだけど。

 

奏汰「中二病だっていいじゃないか」

「俺が出会った頃にはもう、雨音の中には真闇の黒姫がいた」

「それもひっくるめて、俺は雨音が好きになったんだ」

奏汰「だから雨音は、今まで通り、雨音のしたいように、雨音らしく進んでほしい」

「もしそれでも雨音が苦しむっていうなら…」

「俺が変えてやる」

「雨音が雨音らしく生きていける世の中に」

奏汰は、雨音のそういう部分(中二病であるとか、ゲームをやっているとか)も雨音の一部だ、アイデンティティなんだと力説します。カッコ良すぎる。

 

そしてこれを聞いた雨音は、

雨音「真闇の黒姫は、もう一人のワタシ。

ワタシがワタシらしくあるための、大切な存在」

と、無理に変わらなければいけないという考えを改めることになる。

 

このお話を見て、自分もちょっとこの問題にしっかり向き合おうかなと思った。

自分一人で勝手に「辞めなきゃ」「卒業しなきゃ」と極端に思っていた節があるので。そうじゃない選択肢もあるんだなって思った。

 

もちろん現実的な面を見ると「今のまま」をずっと続けるわけにはいかないとは思う。

先述した部屋、世間体、お金の問題は何も考えないわけにはいかないだろう。

 

それでも、ちゃんと相手のことも考えて話もちゃんとした上で、

出来る範囲でやりたいことをやっていける人生にしたいと思った。

自分に嘘をついても仕方がない。

 

趣味だって自分の一部だ。何も全部辞めなくたって良い。

趣味と生活のバランスを取るという選択肢だってあるんだ。

ということを教えてくれたシーンだった。

 

tone work'sのゲームは本当にリアルな人生を描いていると思うけど、今回のこれは本当に刺さった。

考える機会を与えてくれてありがとう!!元気もらえた。

本当に素晴らしいゲームです。この先もtone work'sさんのゲームをずっとプレイできたらいいな。 

長い自分語り失礼!

 

しかしまあ、現実のことを考えた上で大人になろうという考えが出来る雨音、雨音のアイデンティティを殺さないように振る舞える奏汰。

めちゃくちゃいいカップルだなぁ……憧れる。 

 

・『宝探し』と『過去の想い出』、そして『未来』へ

これは本当にずるかった。SSRスクール編の最大の見所だと思った。

想い出を回収する宝探しゲームなんて、泣くに決まっている。

で、これ、家族の想い出が残る場所に訪問していくわけじゃないですか。

ここで語られる家族のエピソードがほんとにもうダメだった。

このエピソードにあるバックグラウンドを考えると泣けてきてしょうがない

 

雨音が生まれてしばらく退院できなくて、退院出来た話とか、

どれだけグレイが雨音を愛していたのかが伝わってくるし。

不器用ながらも良いところを見せようとテント作り頑張ったり、虹を作るために水に飛び込んだり、雨音が喜ぶと思ってベーグル大佐を買ってくるけど細かい作りが違う代物で本気であたふたしたり。

もうほんとめちゃくちゃ父親してて泣いてしまう……

これがグレイの父親としての本来の姿ですよ。泣ける。

 

……で、想い出を回収していって、最後に見つけた宝は

”雨音が憧れていたママからのリボン”だった。

いやもうね……

しかも一緒に入っていた手紙の日付はママが亡くなった後なので、もう自分がどうなるかを知ってて先に書いたわけじゃないですか。その上でこれを遺したんだと考えると……

アイナ『愛してるわ、雨音。ずっといつまでも』

……涙が止まらないんだけどどうしてくれるんですかね。

 

奏汰もここで言ってるけど、グレイは多分アイナと一緒にこれを準備してたんだろうな。だからママが亡くなってから、宝探しゲームをやろう、と言った。

その頃はエンデュミオン完成のために仕事にかかりっきりで雨音に構えなくなっていた頃だけど、

それでも雨音と家族でありたかったから。

そう考えると当時拒絶されたグレイ相当しんどかっただろうな……と考えると父親目線としても涙を流さずにはいられない

 

そしてこのリボン、SSRスクール編ラスト、帰国の日に雨音が身に付けて出てくる。

これもずるいんだよな〜〜。

後めっちゃ可愛い。この髪型とリボンの組み合わせほんとに可愛い。

 

ママからもらったリボンをつけ、髪型も変えることで、

大人になるための、ママみたいな素敵な女の人になるための……

第一歩を歩み出すわけだ。

あくまで雨音らしく。ダーリンと共に歩む、未来のために。

 

うーん、これは最高の締めだ。大きなインパクトはないかもしれないけど、雨音の心境の変化が丁寧に描かれていて素敵だ。

 

あとここで父親のことを「あいつ」から「グレイ」と呼ぶようになったのもグッと来た。

時系列的にはこれより後になる、本編アフター編では家族の真実が明らかになるので、雨音の父親に対する感情はこの頃とは全く変わるが、この頃はまだグレイを完全に信じられない状態であり、この後のことを知っていると父親への感情がすこし改善したのは感慨深いものが……

 

SSRスクール編はこんな感じかな。もっと語りたいところはあるけど、一生終わらないのでこのへんで。

 

🌕SSRアフター編

・夫婦だけじゃない、娘がいる生活だ!

このSSRアフター編の最大の特徴、それは「子育て」要素があること。

これはtone work'sの良さをさらに一歩先へ進めた要素だと考えている。

tone work'sはヒロインと過ごす”人生”をリアルに描くのが得意なブランドだ。

 

初恋1/1』では初恋ならではの失敗、ゴタゴタなども含めた等身大の恋愛を(これはなかなかに賛否両論であるが、俺はリアルさがあって割と好きだ)

 

『星織ユメミライ』では、現在のtone work'sのウリである、スクール編とアフター編という二部構成となり、スクール編でヒロインとの出会い〜付き合うお話を、アフター編で同棲や結婚生活などの更に先へ進んだお話を描くことにより、そのヒロインと歩む人生を体感できる作品になった。

 

『銀色、遥か』ではそのスタイルをさらに進化させ、なんと中学編、学園編、アフター編の三部構成となり、ヒロインと過ごす10年間のお話が綴られる。

中学から大人になるまで、10年間という長い時間の流れをヒロインと過ごしていくと感情移入は半端ではない。中学編、学園編と積み重ねてきた長い時間で感情移入しきっている状態でアフター編で結婚式なんかした時には、もう自分が結婚したかのような感動に襲われた。子供が生まれた描写なんて見た日には……うん、これぞ人生。

(長すぎてギブアップしてしまった、という意見もあったのでヒロインを好きになれないと辛いかもしれないが、ハマる人は離れられなくなるだろう。俺はその沼に嵌った一人だ。銀はるCE出ませんかね?tone work'sさん。

 

少し脱線してしまったが、要するにtone work'sというブランドは『学生生活から結婚生活までを長い時間を費やして丁寧に描くことで、ヒロインと人生をともにしてきたかのような体験』をユーザーに与えていたのだ。

正直、『銀色、遥か』をプレイし終わった時、このブランドのこのスタイルとしてはもう行けるところまで行ったな……と思っていた。

 

思っていたら今作の『月の彼方で逢いましょう SweetSummerRainbow』はさらにその部分を進化させてきていて驚いた。

 

なんと『子育て』描写がある。

 

前作『月の彼方で逢いましょう』の雨音ルートアフター編では奏汰と雨音が結婚し、愛娘の『つきこ』が生まれたところで幕を閉じたが、

その後、つきこが5歳まで成長している状態での家族の生活を描くのがこのSSRアフター編だ。

 

ヒロインと愛を育んで、娘や息子が生まれるところまでならば、今までのtone work's作品にもあったし、そういう美少女ゲームは他社でも結構あるんじゃないかと思う。

そこから一歩更に先へ進んだわけだ。

『夫婦』から『家族』へのステップアップである。

 

学生時代に出会って、社会人になって同棲生活を始め、結婚を決意し、実際に結婚し、娘が生まれ、ヒロインや可愛い娘と一緒に家族として幸せな毎日を送る。

 

ついにここまで来たか、と思った。

 

ヒロインと主人公の間に5歳の娘がいると、通常の美少女ゲームのように二人だけの時間を描けばいいものではなく、

ヒロインは母親として、主人公は父親としての振る舞いをしていないといけないので、お話を作るのがなかなか難しいと思うのだが……

本作品はそれをしっかりとやっているし、生かせていると感じた。

 

今作はいわゆる”エロゲ”だが、このSSRアフター編についてはエロ描写は比較的に少なめだ(もちろんそういう描写がないわけではないのだが)

子供が生まれるとなかなか出来なかったりするという事情のためなのだが、本当にリアルな描写をしてくるのがすごい。

このSSRアフター編では、その分「家族の温かみ」「可愛い娘と過ごす幸せ」に重点がおかれている。これは”エロゲ”としての本分からは外れているのかもしれないが、tone work'sの方向性としては素晴らしい進化であり、かなり魅力的だった。

 

このSSRアフター編では、夫婦だからこそ、娘がいるからこそ描けるエピソードをたくさん読むことができる。

さらにtone work'sの得意とする時間の積み重ねも効いている。雨音との学生時代のエピソードがあって、結婚までのエピソードもあって、ここまで来ているわけだ。

ここまで来たプレイヤーは(突然SSRアフター編をプレイしない限りは)雨音との学生時代や結婚までをともに過ごしているはずなので、そのバックグラウンドが頭に入っている状態でこの幸せな家族の生活を見るとかなりエモーショナルな気持ちになると思う。

 

この『月の彼方で逢いましょう SweetSummerRainbow』は、従来から持っているtone work'sの良さをさらに1歩先へと進めた作品だと感じた。

『月の彼方で逢いましょう』本編は過去と未来が干渉したり、尖ったストーリーのヒロインがいるなど今までのtone work'sの作風にとらわれない挑戦的な作品だったが、

この『月の彼方で逢いましょう SweetSummerRainbow』のSSRアフター編についてはそれに加え今までのtone work'sの作風をベースにして、それをパワーアップさせたようなものだと感じた。

挑戦的な作風も好きだけど、俺はtone work'sにはこの”人生”を体現したかのような恋愛描写に強い魅力を感じているので、本作の作風を見られてとても嬉しかった。

 

従来の、『星織ユメミライ』『銀色、遥か』のような作風が好きな人は同じようなことを感じていただけているのではないかと思う。

 

・奏汰の母の優しさ

つきこが生まれた頃の回想があって、そのとき昼も夜も泣き止まないつきこの面倒を見ることに相当疲弊していて、

結局奏汰の母に頼ることになるんだけど、その奏汰の母の優しさが染みる……

自分で出来ないことに自信をなくす雨音に、奏汰の母親は。

「母親が不安だと、子どもも不安になる」

「誰もが通る道。私も(奏汰を育てる時に)お母さんにお世話になったから」

「困った時は、頼ったっていいのよ。私だって、雨音のお母さんなんだから

と優しい言葉をかけ、育児や家事を手伝ってくれる。

 

コレ見て、なんか親の優しさにじんわり来ちゃったよね。「私だって、雨音のお母さんなんだから」なんて言われたら俺が雨音の立場なら泣いてる。

奏汰の母もまた奏汰の祖母にお世話になってたわけだけど、その優しさをちゃんと受け継いでるっていうのがね。良い。

「きっと雨音も、将来孫ができたら同じことをするだろうな」と考えると温かい気持ちになれたワンシーンでしたね。

しかし子育てってほんと大変だろうなあ。自分がもし結婚して子どもが生まれたら、嫁に最大限の協力をしたいなと思った。それでも嫁の負担は相当なものになるんだろうと考えると、こんなふうに俺も親に頼って、ありがたみを感じることになるのかな……と思ったりなどした。色々考えさせられるね。

 

・愛娘『つきこ』が可愛い

いやーーもう、ほんとに可愛い。

めっちゃ可愛い。子どもはもともと好きな方だけど、見てるだけでも可愛い……

このSSRアフター編ではつきこは5歳だけど、とても人懐っこくて、素直でもう可愛いったらありゃしない。ビジュアルが可愛いってのもあるけど中身が可愛い。

所々奏汰や雨音に似てるのがまたああやっぱり二人の娘なんだなーって微笑ましくなる。

とくに、若干の中二病入ってるのが雨音の血継いでるなあ……となって好き。

運動会の「ダークフレイム!」「エンドオブザワールド!」の流れが面白すぎて(笑)

 

・AI(ベーグル大佐)搭載ドローン

高度学習AI搭載ドローンということだが、絶対中に人いるだろ。

あとつきこちゃんに対しての面倒見が良すぎる。やはり子守AIとして売り出すべき。

ところで充電切れないんですかね……?

 

・約束を守っている主人公すごい

学生時代に雨音が言った「マイホームがほしい。できれば一戸建て。マイカーも。にゃんこも飼ってみたい」

コレ全部守ってるのに驚き。SSRアフター編では一戸建てを建ててるし、マイカー持ってるし、にゃんこもそのうち飼うことになる描写が出てくる。

主人公たちは就職後は東京に住んでいるわけで、そう考えれば共働き夫婦ということを考えてもすごいと思う。車はまだしも一戸建てはなかなかハードルが高い。

約束を守る奏汰、かっこいいと思った。

 

・続いている人間関係

奏汰と雨音が結婚し、さらには娘が生まれ、更に時間が経ち娘は5歳になっている。

学生だった頃からはずいぶん時間が経過している。

時が経つと、主人公たちだけではなく周りも変わっている。

では、主人公や雨音と親しかった人たちは今何をしているのか?という疑問は当然出てくるわけで。

結果として、SSRアフター編ではそのあたりの描写もしっかりとある

(連絡を取らなくなった灯華などは除く)

 

tone work's作品の男性の友人は面白くて好き(ちなみに、『銀色、遥か』には男性の友人がいない)なので、

そのへんの話も出てくると嬉しいなあと思っていたが、しっかりあって安心した(笑)

 

聖衣良、円、賢斗……それぞれ夢を着実に叶える方向へと進んでいるのが良かった。

 

個人的にこの友人との繋がりを表現してるシーンで良かったのは、賢斗が日本に取材で帰ってきてるということで、このメンバーで飲み会に行くところ。

こういう大人になってからの再会好きなんだよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!

 

高校時代に出来た友達は一生モノとはよく言ったもので、俺も進学就職で田舎から遠く離れた都会に出て時間が経った今も、年に数回の長期休暇の帰省で地元の友人と毎回飲み会をやって積もる話をするのが楽しみなのです。

円「そう思うと、俺らの付き合いって長いよね?」

賢斗「社会人になっても、こうやってたまに集まってるしなぁ」

 そう!!そういう集まり大好き〜〜〜!!!!!!!

 

そして友人関係といえば衝撃の事実。

賢斗も円も結婚している!!!

これは時が経ったのを感じたし、すごく嬉しかった……!

主人公のことをエロ神さまだの歩くHowTo本だの言ってみたり、

無修正エロ本三銃士とかいう謎ワードを生み出したりしていたこの2人がなぁ……

賢斗はよつば出版の受付の女性と。

円はテレビ局勤めをしていた時代に出会ったカメラアシスタントの女性と。

いや……ほんとに良かったなお前ら……

 

そして飲みの席で賢斗が嫁が妊娠3ヶ月という事実を発表する。

いやこれはびっくりした……賢斗なんだかんだでいいパパになりそうなんだよなあ……

円は『これで子どもいないのは俺のとこだけかぁ』と言っているけど、多分数年後には出来てそうな気がする。というか絶対できるだろ。

 

こうやって嫁や旦那や子どもの話を飲みの場で話題にするの、大人になったって感じがして好きだ。

俺は結婚もしてなければ子どももいないので飲みの場で話すことはないのだけれど

奏汰や雨音も成長しているが、彼らも同じだけ成長しているわけで、それを感じられる良い描写だった。そういうわけで飲み会のシーンめっちゃよかった。

彼らにはこれからもずっと良好な友人関係であってほしいと思う。

 

そんなわけでSSRアフター編の友人の描写は最高だった。

 

・新しい人間関係

もちろん、旧友との長い付き合いがあるならば、新しい出会いもあるだろう。

そう、SSRアフター編の奏汰の就職先である「よつば出版」といえば、本編ではルートもあったあの人たち。

前作ではアフター編のみルートが存在したよつば出版の編集長、35歳さんこと「松宮霧子」、あまりにも自由奔放な天才作家「月ヶ洞きらり」、そして少女漫画家・イラストレーターの「岬栞菜」。

この3人はSSRアフター編の世界でも出会うこととなる。

そして、付き合いも多い。というかこんなに多いと思わなかった。

めっちゃ出てくるじゃん!!

この3人も奏汰や雨音に結構ガッツリ絡んできたのでとても楽しかった。

SSRアフター編でもこの3人は目立っているし、かなり面白いのでこの3人が好きな人もプレイする価値のある作品だなと思ったりしたなど。

なお、3人とも性格がブレてないので好き。栞菜先生の激しい思い込みと暴走はやはり今作でも健在。というか奏汰と雨音のリアルな夫婦生活を目の当たりにして悪化してないか?

 

ちなみに栞菜先生、一緒に奏汰と雨音の自宅でアニメの鑑賞会をしたりもはや雨音の友人と化している

まあ根は両方オタクだもんなあ、そりゃ気が合うよね……

俺は雨音の次には栞菜が好きかな……というくらいに好きなので、この2人が仲良くしてるところが見られるのはとても良かった!

 

ちなみにきらりと栞菜の関係も好きなんだよなあ。

きらりは栞菜のことを気にかけてるし。飲み友達なの、とは言ってるけどそれ以上のものがある気がする。

あ、飲みといえば主人公の家にこの3人が押しかけて(霧子先生は騙されて来たわけだけど)主人公そっちのけで女子トークしてるシーンが面白い(笑)

 

そんな中でも……

つきこ「はい、どーぞ。きりこお姉ちゃん

霧子「い、いいのよ、私なんて、お姉ちゃんじゃなくて、おばさんでも。歳だってつきこちゃんのお父さんやお母さんよりも…」

つきこ「え、どうして? お姉ちゃんだよ? すっごくきれーだもん!

霧子「…!!!」

霧子「つきこちゃん、来年、お年玉あげるわね」

このシーンが好きすぎて(笑)

霧子可愛いかよ…………!!ごちそうさまです。

 

・ママとパパと一緒に生きた証

これはもう全てがずるかった。

家族を持つという夢を叶え、奏汰やつきこと幸せに生きている雨音。

でも、かつて宝の在り処を教えてくれたスマホに。過去と繋がったスマホに。

何か残されていないか、と思ってしまう。

幸せだからこそ、二度と取り戻せない過去を見てしまう。

雨音「ワタシは…ママとパパが遺してくれた世界に生きてる…

ママとパパが、ワタシを愛してくれた世界に…」

「この世界は…ママとパパの愛、そのもの…」

「もしかしたら…」

「ワタシは…ママとパパと一緒に生きた証が、欲しいのかも…」

サマースクールで訪れた実家も、日本に来てからの雨音の実家にも、家族で生きた証…家族全員で写っている写真やビデオは見つからなかった。

雨音は、形に残るもので3人で一緒に生きた証が欲しかったのだ。 

 

うーん。確かに『雨音のパパとママがどれだけ雨音に愛情を注いでいたか』というのを本人が知って、雨音の手元には家族で過ごした想い出が心の中にしかないなんて悲しすぎるよなって。

 

そしてそれからしばらくした日、老朽化していた、日本での雨音の実家を取り壊すことを決めたため、実家で荷物を片付けていたとき。

もう反応しないはずの、グレイのスマホが反応し、地図が表示される。マーカーが指している場所は、この家だ。

SSRスクール編のあの宝探しは、まだ終わっていなかった……!

 

もうここからの展開がヤバかった。ドキドキが止まらなかった。この先を読むと絶対ヤバいと思って身構えたくらいだ。

 

雨音「グランマが亡くなる少し前に、不思議なことをいってた」

「『私がいなくなっても、雨音は1人じゃないよ』

『あれがいつでも雨音を見守ってるよ』って」

 

しかし部屋の中は片付けが終わり、何もない。

しかし、主人公は普通では見つけられない場所……床にあるのではないか?と思いつき、手伝いに来ていた友人たちに床を剥がすのを手伝うように指示をする。

そして、そこから出てきたのは所々錆びて時間が経っている『アルミ缶』

 

俺はここですべてを察してしまった。缶を開けているCGはOP映像とかにちょくちょく入っていたので。点と点が繋がった感じだろうか。

 

そしてアルミ缶が開かれる。

出てきたのは……

 

ヨセミテフォールズで月虹をバックに撮影された、”パパ”、ママ、幼かった頃の雨音の””家族3人””写真!!!!!!!!!!!!

 

そして「待ってました!」とばかりに流れる挿入歌の「Nostalgic Treasure」!!!!!!!!!!!!!

そういうことかこの野郎!!!!!!!!!!!!!!!!!!「Nostalgic Treasure」ってタイトルそういうことか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

やられた!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

そして、それだけで終わらないのがtone work'sクオリティ。

写真にはなんと1通の手紙が。

いや絶対ヤバいだろ。こういうタイミングで出てくる手紙って絶対ユーザー殺しに来てるやつでしょ。知ってる。

 

手紙は、雨音が雨音のお祖母さんに引き取られる際、

お義父さん(グレイ)から雨音のお祖母さん(アイナのお母さん)に当てられたもの。

 

そこには、アイナを死なせてしまい、雨音を放置してこのような状態になってしまったことへの、グレイからお義母さんに対する謝罪が綴られていた。

 

そして、アイナと出会えて、雨音という子宝を授かることができて……

それからの人生は幸せだったこと、

これからは何が起こっても後悔などないということも綴られていた。

 

ああもうダメだ……ボロッボロ泣いてたねここ。これ書きながら泣きそうになってるくらい。

 

そしてさらに。

私たちが家族に出会った頃の写真とビデオを、すべてお義母さんに渡すこと。

処分はお義母さんに任せること。

雨音にはそれを見せないで欲しいこと。

きっとそのほうが、雨音も幸せになってくれるだろうからと。

 

そういうことだったのか……だからSSRスクール編でサンフランシスコの実家に行った時には何も……

 

そして、これが家族のすべてなのだと。

改めて見返すと、家族の想い出は、これ程に少なかったのだと。

もっと私が、家族孝行できていればと。

刻を戻せたとしても、同じことを繰り返すだろうと。

 

いや……その……切なすぎる……

「同じことを繰り返すだろう」というのは、雨音が奏汰と出会う歴史を変えないようにするためってことだよね……

ほんとは家族孝行をもっとしたかったけど、そのことがあるから出来ないってことだと思う。

これ、グレイの父親としてのエピソードをSSRスクール編で見せられているのもあって、めちゃくちゃグサグサ来る……

 

そして、さらに手紙は続く。

 

もう二度と、雨音と連絡を取ることはないと。

もう二度と、雨音と会うことはないと。

もう二度と、現れないと。

だから、雨音を本当の家族として、迎え入れてあげてほしいと。

私には出来なかった、温かい家族というものを、雨音に味わわせてあげてほしいと。

 

『もう二度と』の使い方がほんとずるいなぁここ……

雨音を本気で愛していたグレイが、これを書いたときの気持ちを想像するともう耐えられない……

本当はたくさん話したい、愛情を思いっきり注いであげたい、抱きしめたい、そう思っていたはず。

でも自分の筆で、もう二度と連絡を取らない、会わない、目の前に現れないって言ってるんだよ、こんな辛いことってある???

でもそれ以上に雨音が元気に育ってくれることが何よりの幸せになるから、我慢できたんだろうね。うーん……

 

そして手紙も最後にさしかかる。

「最後に…雨音にはいえない言葉を、ここに記しておきます」

そこに記されていた言葉……それは。

 

パパもママも、幸せだったこと。

最高の人生だったこと。

人生に長いも短いも関係なく。

ただただ、雨音に生まれてきたことに感謝を。

すくすくと育ってくれたことに感謝を。

たくさんの愛と感動を届けてくれた雨音に感謝を。

雨音のおかげで、幸福な人生を歩むことができたと。

たった一度きりの人生を、雨音と送れてよかったと。

さよならではなく、心からの、ありったけのありがとうを送ると。

ほんとうに、僕たちの子供でいてくれて、ありがとうと。

 

そして。

お義母さん、どうか、雨音をよろしくお願いします……と。

 

そして写真の裏には。

グレイ『僕たちの娘に、いつも月虹の祝福があらんことを』

 

手紙を読み終えた雨音「うわああああああああああああああああああああああああんんん!!」

プレイ中の俺「うわああああああああああああああああああああああああんんん!!」

 

だーかーら!!!!!!!tone work'sはヤバいんだよ!!!!!!!!!!!!!!

と言いたくなるくらいずるい手紙を出してきた。

 

これを見た既プレイのはずの皆さんはこのシーンを思い出して死んでることでしょう。俺も死んだ

  

雨音のパパとママは、雨音が生まれてきてくれたことが本当に嬉しかったんだなと、雨音が元気に育ってくれることが本当に嬉しかったんだなと、そう考えるともう泣けてきて……

これを読んだ雨音の感情、そりゃ爆発するわ……

 

そして手紙とこの写真が残されていたことにより、雨音は『ママとパパと生きた証』を手に入れることができた。

本当の宝物は「家族の想い出」だった、というわけだ。

 

雨音のお祖母さんもこんな手紙渡されちゃ捨てられないよねと思う。

この手紙を受け取った時、雨音のお祖母さんのグレイに対する印象は良くなかったと思う。(手紙の冒頭でも謝罪してるし)

エンデュミオンの事情は喋れないし、そうなればグレイは雨音のお祖母さんからは確かにアイナを死なせて仕事にかまけて雨音を放置した人にしか見えないだろう。

でもこんな気持ちのこもった手紙を渡されちゃね……

 

というわけでこのシーンを思い出しながら語ったが、

俺の中でこのシーンはSSRアフター編だと一番好きだ。

 

このシーンで好きだった部分。

・スクール編でエンデュミオンの奇跡は終わったと思っていたが、実は終わっていなかったこと(これはスクール編でNostalgic Treasureが使用されなかったので薄々怪しいとは思っていたが、期待以上だった)

・手紙。散々書いたとおり内容がズルすぎる。泣かずにいられるわけがない。これはスクール編、SSRスクール編、アフター編、そしてこのSSRアフターとずっとプレイしてるからこそ破壊力がある。

・あとはCGの使い方もすごい好き。写真見ながら声を上げて泣いてる雨音とサンフランシスコ時代の背景を一緒に出す演出マジでやめてくれ。そういうの泣くから。

・後楽曲。これは別で語るけど、このシーンにぴったり。最高。

 

結論、これだけでもSSRアフター編をやる価値があると思う。俺が家族モノに弱いだけかもしれないけど。

 

あ、でも唯一惜しいところが。

その後の自宅でのシーンでの描写だ。

作業をする手はそのままに、キッチンのテーブルに飾られた写真立てを見る。

前から飾られていた俺たち家族の月虹の写真の隣に並んだ、

雨音とお義父さん、お義母さんの写る月虹の写真。

……と文章には書いてあるんだけど、背景CGが変わってない!!

どう見てもキッチンのテーブルには「俺たち家族の月虹の写真」しかない。隣には雨音とお義父さんとお義母さんが3人で写る写真が増えているのかと思いきや、何もない。

(つまり、今までのCGと同じ。)

細かい話ではあるけど、これは差分として描いてほしかったかも。コストダウンといってもこのレベルの差分だとそんなに大差無い気がするので。

 

・雨音の誕生日とつきこの手紙

これなーーー。これも地味に刺さるシーン。

雨音の誕生日に奏汰とつきこがサプライズでお祝いをしたときにつきこが書いた手紙を読むところのやつ。

というか、また手紙かよ!

手紙演出はずるいからやめてくれ。いややめないで。

つきこ「つきこも、おおきくなったら、ままみたいなおんなのこになりたい」

つきこ「きらきらしたきれいなかみもだいすき」

つきこ「ままがだいすき、くろのつきこ」

雨音が言われる側になるとはなあ……

雨音も小さい頃にママみたいな女の人になりたい、と言っていて、雨音が母親という立場になって同じことを自分の娘に言われるって相当こみ上げてくる想いがあるんじゃないかなと……

髪もそう。過去に髪の色でいじめられた経験を持つ雨音にとって、「きらきらしたきれいなかみもだいすき」と娘に言われるのは相当嬉しいよなぁ。

見てて幸せになるシーンだった。

 

・2人目がほしい

そう来るか〜〜〜と思った。つきこちゃんだけで満足してるかと思ったけど、2人目を作ることになるとは!

作るためには当然、することをするわけだけど、エロゲなのできちんと描写がある。

そういえばエロゲだったわこれ。

というのはさておき、ED後にちゃんと2人目が生まれるところの描写があるのが良かったCGもちゃんとあるのでとても高評価。

生まれてきた赤ちゃんも可愛いが、キラキラした目で見るつきこもめちゃくちゃ可愛い。

そして名前、陽と書いて「はる」と読むらしいけど、はる……ハル……どこかで聞いたことが(爆

しかし月の次は太陽ですか。ちゃんと関連性があっていいね。ベタなのかもしれないけどそこがいいというか。

ところで子どもいないからわかんないんだけど、名前って決めるのすごい大変そうだよね。世の中の夫婦はどうやって決めてるのかなぁ……それも楽しみの一つなんだろうか。

 

・After Rain

主人公の2作目の小説のタイトルだけど、、

いや確かに月虹の後を描く作品だからそのまんまというかこれもベタなのかもしれないけど、After Rainといえば本編の雨音アフターED曲のタイトルで、あの感動を連想してしまって、なんというか、エモい……

ここでそのタイトル、使う??みたいな。感情になるわ。

 

・ED前の場所

この場所で終わるのかよ〜〜〜〜エモい〜〜〜〜〜〜〜〜(語彙力)

例の江ノ島が見える海岸。

作中でも言ってるけど、本編冒頭で月を見上げてたのもここ、奏汰が雨音に告白をしたのもここ、そしてプロポーズをしたのもここなわけで。

そこで締めくくるのは最高だと思います。しかも夕日だぜ。超キレイなんだぜ。

 

聖地巡礼したいけど、今は我慢……

 

このシーンからEDの流れは、本編アフターのEDや、アフターSSR編の手紙シーンのようなインパクトこそないものの、

奏汰や、月の向こう岸にいるパパやママに感謝を述べた上で、

「ワタシは世界一の幸せ者です」で締めくくる流れは綺麗な終わり方だと思った。

 

ED映像で主人公の作品『After Rain』について、その後の周りの動きが語られるところも良かった。

その映像内で、映画化のくだりで円のプロダクションとベロニカ・ランドと組むって語られてたのはビビった。マジかよ。俺にも見たいんだけど、どこで見られますか?

聖衣良も主人公の作品の映画衣装作るって話決まって夢が叶うし。周りも幸せになってて良いED映像だよ……

ただ正直なところ言うと本編アフターEDのインパクトがありすぎてどうしても印象は薄めなところはあったかな。

でも、なんでもかんでも泣かせるのが良い作品ってわけでもないし、ほっこりとした気持ちで終われるEDもありなんじゃないかなー。うん。

 

🌕その他思ったこと、書きたいこと

・楽曲面はどう?

BGMは『月の彼方で逢いましょう』そのままだ。名曲ばかりなので言うことはない。

さて、じゃあ今回追加されたボーカル曲の話をしよう。

 

まずは『Rainbow Days』。歌唱Ceui、作曲どんまる。

SSRスクール編を始めたと思ったら、予想よりめちゃくちゃ早いタイミングで突然始まってビビるOPの曲。

爽やかなどんまるサウンドCeuiさんの透き通るような、そしてかわいい歌声の組み合わせで、『星織ユメミライ』のOPみたいな印象を受けた。

この曲はファーストインプレッションからめちゃくちゃ良かったので、ソフマップで配布されたミニボーカルでずっと繰り返し聞いてたくらい。

夏らしさをしっかりと感じさせてくれるあたりも『星織ユメミライ』っぽい。

OP映像ともよく合っていたし、今作で一番好きなボーカル曲かな。

 

次に『でんじゃらすきゅーとはっかーレインちゃん』の雨音本人のカバー。

これもSSRスクール編を始めてすぐ、突然可愛い声と歌が流れてきてビビる。

これもLuna歌唱のオリジナルVer.に慣れていたからか、最初は違和感が強くてやっぱオリジナルがいいなぁ、と思っていた部分もあったけど、これもフルを聴くと化ける系な気がする??

セリフが入るパートも当然雨音ちゃんボイスなのでめちゃくちゃ可愛いんだこれが

2番以降とが特に好き。歌詞がだんだんデレてくるので。

雨音ちゃんボイスになることで破壊力がマシマシになってる印象。

歌唱力で見るならLunaさんのオリジナルVerのほうが確かにいいけど、

雨音本人カバーも雨音の可愛さをしっかり表現できているので良いなと気付いた

結論、どっちも良さがある。

 

そして『Nostalgic Treasure』。歌唱Luna、作曲碓氷悠一朗。

ヤバいシーンで流れる挿入歌。

実はショート版を事前に聞いた段階では、ファーストインプレッションではそんなに刺さらなかった曲だ。

悪くないんだけど、刺さる曲でもないかな……?という印象。

しかしその後化けた。この曲は流れるシーンと完璧にマッチしているし、そのシーン自体の破壊力も物凄い。一度あのシーンをプレイすると頭から離れなくなると思う。

歌詞もちゃんと読むと雨音の家族に対する熱い想いが詰まっていて、相当エモい。

あと、ショート版とフルの印象が結構違う。フル版のCメロ前めちゃくちゃ好き。

聴けば聴くほど印象が良くなる。これはいわゆるスルメ曲の部類だと思った。

何度も聴き込んだ後の今の印象としては、

『Rainbow Days』と肩を並べるくらいの名曲だと感じている。

 

最後に『Reiny Story』。歌唱Duca、作曲どんまる。

SSRアフター編で流れるED曲だ。

どんまる先生とDucaの組み合わせ。絶対ヤバい。

曲はEDらしい、正統派バラード。

本編の灯華EDの「Sign」を彷彿とさせるが、こっちはSignよりちょっと落ち着いてて暖かみある感じ?

でも歌詞を噛み締めながら聴くとじんわり感動する……そんな感じの曲。

Ducaさんは感情を歌に乗せるのがかなり上手いので、聴いてて心が揺さぶられる

というかどんまるさんはDucaさんのそういう部分を引き出すのが上手いと思う。

『月の彼方で逢いましょう』、『Sign』、そして今回の『Reiny Story』もそうだ。

「わかってる痛いくらいに」の「痛いくらいに」の歌い方とかマジで好き。

Sign」と比べるとインパクトにこそ欠けるものの、手元に置いておきたい良曲。

 

ちなみに全楽曲、雨音シナリオ担当の白矢たつき先生が作詞をしているわけだけど、やっぱりライターが歌詞書くと物語としっかりリンクしてるのでめちゃくちゃ良いなと。

あとなんだろう、ゲーム要素抜きにしてもいい歌詞書いてると思った。

こういうストレートに伝わる歌詞結構好きですね。

というわけで追加されたボーカル曲もめちゃくちゃ良かった。

ゲームプレイして、ボーカルコレクションを買ってないなら買っておくべきだと思うよ。

 

・Hシーンについて

俺はあんまり直接的な単語を俺は書くのが得意じゃないので、あまり深くは語らないことにするけど、一応18禁ゲームの感想なので触れておく。

確かに売り文句通り、シーン多かった。

(既にこの記事で語っているが、ほとんどがスクールSSR編)

全シーン見てみて、やっぱり雨音ちゃんは可愛いなーと思う反面、

なんというか、今回はライターの趣味が全開な気がする(笑)

あとちょっとアブノーマルなプレイが多いかな??

純愛ゲームなので受け付けないほどの極端な描写はない。

ただシーンによってはもしかしたら人によって得意、苦手くらいは分かれるかもしれない。

個人的な感想を言えば、

主人公がいない間に一人でしてるところと、そのあとバレる展開。これはよくあると思うけどめっちゃ良かった。好き。

あと目隠しとかもアブノーマル系だけど俺は好き

逆にうーん、、だったのは一部のシーンでお尻叩いてるとこかなぁ……本気で叩いてるわけじゃないし雨音も喜んでいるのでいいのかなとは思うけど、俺自身はちょっと心配になってしまった。音も、結構叩いてます!みたいな音だったので余計に。

まあこれは俺が優しい系が好きだから、というのもあるので完全に好みの問題だと思う。

 

・ドラマCD系はどうだった?

実はまだ聴けてない。

ちなみに、今回の音源は以下の通りだ。

・ボーコレ(月の彼方で逢いましょう SweetSummerRainbow Vocal&VoiceDrama Collection)に収録されているボイスドラマ

・お嫁さんパックに付属するバイノーラルCD

・店舗特典系

 ・「雨音と聖衣良の異世界くっころ冒険譚」

 ・「雨音と栞菜のもしも2人が同級生だったら…」

 ・「雨音と霧子はお酒が入ると甘えたがりすぎる!」

 ・「雨音の教えてきらり先生!大人のオンナレッスン♪」

 

一応全部揃えたので、後々ゆっくり聴いてなんか書きたいことがあったら追記するかも。

個人的にはバイノーラルが楽しみ。雨音の声が耳元で聞こえたりするのかな?

 

・(余談)過去は変えてはいけない?

これは余談みたいなものだが……

SSRアフター編内で、奏汰が「もし、今の俺が過去の俺にエンデュミオンで連絡を取れたとしたら」という話をするシーンがある。

これについては色々思うところがあるな、と思った。

このルートにおける主人公は、「いくら不幸なことがあっても過去を変えるべきではない」「俺たちだけじゃなくて、色んなものが変わってしまうことだってある」という考えだ。

これは本編のうぐいすルート(や灯華ルート)とまったくの対極に位置する考え方だ。

そこだけ見ると奏汰の考えブレブレじゃん、と思うかもしれないが、雨音とともに過ごしてきたこの世界の奏汰と、うぐいすルートであの体験をした奏汰はもはや別人だろう。

人間の考え方は固定されたものではなく、人生を過ごす上で体験してきたこと、積み上げてきたことで考え方が変わるのだと思う。だから、俺は過去を変えるという選択をした奏汰も別の奏汰として認められるべきだと思う。

『月の彼方で逢いましょう』という作品は、過去を変える選択をするに至った奏汰、過去を変えない選択をした奏汰、それぞれの背景を考えてみると面白いのかもしれない。

 

■まとめ

『月の彼方で逢いましょう SweetSummerRainbow』はやってよかったゲームだった。

本編をプレイして一番惹かれたのが佐倉雨音なのでFDが発売されたのが単純に嬉しいというのもあったが、期待以上だった。

発売前に情報を聴いた時、本編で不足してたイチャラブを描きますって言ってたので、「雨音ともっとイチャイチャできるんだな、楽しみだな」くらいの気持ちだったが…

実際に蓋を開けてみると、

SSRスクール編で「大人になろうとする雨音の苦悩」のような自分自身のあり方も考えさせられる話だったり、

SSRスクール編やSSRアフター編の宝探し」の話で雨音の父親・母親の深い愛やエピソードをさらに知ることになって、その深い愛情に思わず俺も涙してしまったり、

SSRアフター編で、今までのtone work'sの人生描写からさらに1歩進んで、「母親や父親という立場になって」の幸せや大変さといった描写をじっくりと見ることが出来たり、「主人公や雨音と付き合いの長い、友人たちの成長」まで目の当たりにすることが出来たり……

イチャイチャだけでは終わらない、まさに人生と感動がそこに広がっていたと。

 

そして今作『月の彼方で逢いましょう SweetSummerRainbow』は、

tone work'sとしての新しい挑戦(エンデュミオンのような要素)と、tone work'sの今までの良いところ(長い時間をかけて愛を深めていくだとか、成長していくだとかといった描写)をうまくミックスできていると感じた作品だった。

 

今後のtone work'sはどうなっていくのか。今から物凄く楽しみだ。

 

きっと今後のtone work'sのやり方はだんだん変わっていくのだと思う。ずっと同じままで停滞はしないだろう。それでも、今までの良いところは活かせるような作品であるとファンとしても嬉しいと思う。

 

あともう何回この記事で書いたか忘れたけど、

ここまで高品質でボリュームがあって、本編未プレイの人向けにダイジェスト編の収録までしておいて、販売価格はロープライスなのはやはり信じられない。

 

 tone work'sさん、満足度の高いゲームを本当にありがとうございました。

 

■おまけ(プレイ終了直後、3密回避聖地巡礼をした話)

ゲームが終わってすぐ、あまりにも感情を揺さぶられたのでモデルとなった地に行きたいと思った。

なお、『月の彼方で逢いましょう』本編の聖地は国内エリアはすでにほぼ回っている。(函館など、行けていないところもある。実は行く予定を立てていたのだが、新型コロナウイルスの影響で止む無くキャンセルをした)

 

その中でもメインとなるのは、主人公の実家や学校がある藤沢、鎌倉、江ノ島周辺といった湘南エリア。

そしてそれに加え、アフター編では東京に移住するため、勤務先や待ち合わせ場所などで都内のエリアが登場する。

 

そして、『月の彼方で逢いましょう SweetSummerRainbow』は基本的に本編の延長線上にあるため、聖地もほぼ本編と同様だ。

(ただし、サマースクールでサンフランシスコに行くので、国外の聖地はけっこう増えている。)

 

まずサンフランシスコは論外だ。新型コロナウイルスがどうこうとか暴動がどうこう以前に、よし明日行こう!で行ける場所じゃない。そりゃ行けるなら行きたいけどさ。

で、神奈川エリアだが、緊急事態宣言こそ外れているが、現状首都圏エリアは不要不急の他県移動の自粛が求められている上、横浜はまだいいとして、自粛しない観光客が……などとニュースなどで度々言われている鎌倉や江ノ島に行くのは今は得策ではないだろう。

公共交通機関(バスや電車)の利用も、極力避けるのがベターだろう。

そうなると行けるのは自転車で行ける近所になる。

俺は、現在東京の都心エリアに近い箇所に居住しているため、山手線内やその周辺であれば特に無理なく自転車で移動できる範囲だ。

都内なら他県移動にもならないし、深夜早朝なら人もいないだろう。

ということで、クリア直後、数時間仮眠して、そのまま電車も走っていないような深夜早朝に自転車にまたがり、『月の彼方で逢いましょう SweetSummerRainbow』の東京都内エリア聖地巡礼に出かけたのであった。

 

以下、その記録である。

なお、意気揚々と出かけたのは良いのだが、かなり曇っていて天気が悪かったので、その部分はご容赦願いたい。

天気がよければまた行くかも。

 

①表参道

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言わずとしれたブランド店の並ぶ高級/オシャレスポット。

朝早すぎて若干暗いし誰もいない。あと曇ってる。
ところで主人公の会社は飯田橋だったはずなんだけど、そこそこ離れた表参道で会社の前とは?

(細かい事を気にしてはいけない)

 

②神谷町

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時間経って少しだけ明るくなったけどやっぱ曇ってるね……

最近すぐ隣に虎ノ門ヒルズ駅が開業したことで話題のこのエリア。

絶賛再開発中で、この辺一体、そこら中で超高層ビルの工事が行われている。

そのため、原作の風景と右側が少し異なっているのが分かると思う。

ちなみに『月の彼方で逢いましょう』の正式タイトルが決まる前にtone work's生放送で情報が出ていたので、実は発売よりだいぶ前、2018年に訪問している。

その時の写真も載せておく。まだ右の再開発が始まっていないので、ゲームそのままなのがわかっていただけるだろう。

 

③月島

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ちょっと原作に近い色にいじった。曇ってるのはさっきよりマシだけどやっぱり曇ってる。

唯一つきかなSSRで新登場した国内の聖地かな? 

東京・中央区にある月島エリアですね。もんじゃで有名なとこ。俺もライブ終わり、ここでフォロワーともんじゃを食べたことがある。

そこの隅田川沿いの遊歩道。めちゃくちゃ眺めがいい!

ここを通ると少し遠回り……って言ってるけど遠回りでも徒歩で帰れるくらいってことだよね?

そうなるとおそらく一戸建てを建てたのは中央区になるけどそうなるとめちゃくちゃすごい。

余談だがここも発売前に情報が出たので発売の数ヶ月前に来ている。公開された次の日に行ったので多分誰よりも早く聖地巡礼したと思う。

 

飯田橋

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まあ……これも曇っているが、許してほしい。

主人公のよつば出版の最寄り駅、飯田橋駅の東口の風景だ。

つきかな無印のアフター編ではSSRアフター編とは比にならないくらい出てくる。

だからこそ①の表参道で「会社の前。」って電話してるのは謎なんだけどこまけぇこたぁいいんだよ!の精神で。

 

というわけでこの4箇所を深夜早朝に自転車で回ってみた。

道中、つきかなのBGMや、つきかなSSRの曲を骨伝導イヤホン(耳をふさぐ普通のイヤホンだと自転車に乗りながらだと捕まってしまうので……)で聴きながら回ったが、非常にエモーショナルな気持ちになった。やっぱりクリアした数時間後に訪れる聖地は素敵だ。

この時間帯なら人も殆どいないし、運動と聖地巡礼を一緒に出来るので割といいかもしれない。近隣在住で興味があれば3密に気をつけた上で試してみてほしい。

神奈川エリアは……もう少し先になるかもしれないが移動が気兼ねなくできるようになったら、巡礼兼ねてまた遊びに行きたいと思う。

そんなわけでおまけの聖地巡礼の話でした。

 

■おわりに

よし!書きたいことは書いたはず!!なのでこの辺で終わりにしようかな、と。

 

というか右下の文字数カウンタ見たら29000文字超えててビビった。長っ……

奏汰みたいに文章がうまかったらもっとスマートになったんだろうなぁ……

でも書きたいことは色々書けて満足だった!

 

こんな長文記事をここまで読んでくれた方、本当にありがとうございました!!!

 

『この記事の読者に、いつも月虹の祝福があらんことを』